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金継ぎとは?割れた古美術品を修復する方法について解説

 

古美術品の中でも壺や茶碗など陶磁器や焼き物は壊れやすく、大切にしていてもうっかり割ってしまうこともあります。古くから陶磁器や焼き物を使ってきた日本では、割れてしまった壺などを修復する技術に長けており、中でも金継ぎと呼ばれる技法は海外からも注目されています。今回は古美術品の修復方法である金継ぎについて、歴史や個人でもできる方法をご紹介します。

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金継ぎとは

金継ぎとは、別名を金繕いとも言い、陶器などの割れや欠け、ヒビを漆に木粉や小麦粉を混ぜた接着剤でつなぎ、金粉で装飾する修復方法です。割れや欠けの修復自体は漆のみで可能ですが、金粉によって彩色することで、傷をなかったことにするのではなく、魅力の一つにすることができるのです。

 

通常、割れや欠けなどの不具合を修復した物は価値が大きく下がりますが、優れた腕による金継ぎで修復したものは評価はさほど落ちず、むしろ金の部分に新たな価値が生まれることもあります。

金継ぎの歴史

金継ぎの歴史は非常に古く、最も古いものでは金こそ使われてはいないものの、縄文時代の遺跡から漆で継いだ跡のある土器が発掘されています。そして、漆で継いだ後に金で装飾する技術が誕生したのは現代から約400年以上前の安土桃山時代辺りと言われています。

 

当時、戦国武将の間で茶道が大流行しました。そして、武将の一人であり、茶道具のコレクターでもあった織田信長は、茶の湯を政治に利用することを思い付きます。

 

その方法は、家臣たちに茶会の自由開催を禁止して、戦いで功績を上げたものにだけ茶会の開催を許したというもの。そしてこの茶会で家臣に褒美として茶器を与えました。すると、信長から与えられた茶器は富と権力の象徴となり、家臣たちはなんとかして茶会を開催して褒美の茶器を得ようと、奮闘するようになったのです。

 

こうしてこの時代、茶の湯文化の流行に伴い、様々な茶器が生まれました。しかし、せっかく苦労して手に入れた茶器でも、もろい焼き物は割れや欠けが生じることも少なくありません。割れたり欠けたりした器でも大切に使おうという考えから金継ぎが生まれたと言われています。

金継ぎのやり方

その名の通り金を使う金継ぎは、費用がかかるイメージを抱く人も多いでしょう。しかし、使う金は金粉になので、さほどコスト面を気にすることはありません。また、高度な技術も必要ないので、実は金継ぎは素人でも簡単に行えるのです。ここでは割れ、欠けそれぞれの金継ぎの方法をご紹介します。

割れた壺・器の直し方

壺や器が完全に割れてしまった場合の金継ぎの方法は以下の4つのステップで修復が可能です。

 

  1. 破片同士を漆で作った接着剤でくっつける
  2. 漆のパテやペーストで引っ付けた部分の隙間を埋める
  3. 余分なペーストを拭き取る
  4. 漆が乾ききらないうちに金粉をまぶす

 

欠けた壺・器の直し方

壺や器が少し欠けてしまい、欠けた破片がどこかにいってしまったという場合も、金継ぎできれいに修復することができます。

 

  1. 欠けている部分の周りをマスキングテープで保護する
  2. 漆のペーストで欠けている部分を埋める
  3. 埋めた部分にさらに漆を塗って乾ききってしまう前に金粉をまぶす

 

金継ぎは世界からも注目される日本の伝統文化

金継ぎは物を最後まで大切にするという日本人の考え方から生まれた伝統的な文化です。現代では物が壊れたら捨てて新しいものを購入するケースが多いもの。しかし、最近では物を修復しながら最後まで使うという考えが見直されてきており、日本各地で金継ぎのイベントやワークショップが開かれるようになりました。また、海外でも講座が開かれたり、ドキュメンタリー映画が上映されたりと注目を浴びています。

 

金継ぎは素人でも簡単に行えるので、壺や皿が割れてしまった際、金継ぎで直してみてはいかがでしょうか。金継ぎによってできた美しく輝く金の模様は、新たな魅力となってますます愛着を持たせてくれるでしょう。

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