印象派とは一体どんな絵画?!初心者にもわかりやすく解説
絵画用語でよく使用される印象派という言葉ですが、なんとなく聞いたことがあるものの実際に詳しい意味はわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、絵画やアート初心者の方に向けて、印象派の特徴や押さえておきたい代表的な作品についてご紹介します。
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絵画の中でも印象派とは?
印象派というのは、19世紀後半にパリで起こった芸術運動を指しています。ユニークな筆使いや鮮やかな色使いが特徴で、世界ではもちろん日本でも高い人気を集めています。ここでは詳しい特徴についてみていきましょう。
印象として表現
印象派という名前の通り、基本的には人物や建物などを空気で包んだような印象として表現しているのが大きな特徴となります。一方で19世紀中頃に流行した芸術運動を写実主義と呼びます。こちらは、その名の通り現実の姿をそのまま再現しているのが特徴となります。
絵の具をまぜない
伝統的な色づくりでは、パレットの上で絵の具を混ぜて色を作るのが主流とされていたのに対し、印象派の画家達は絵の具を混ぜずに使用する技法を多く用いました。これは、色を混ぜることによって発色が悪くなってしまうのを防ぐためといわれています。チューブから出した絵の具をそのままキャンバスに塗ることで表現できる、鮮やかな色使いが大きな特徴となっています。
製作が外でできるようになった
18世紀中頃までは、色をつくる度に鉱石を砕いて絵の具を作るのが主流でした。しかし、チューブに入った絵の具の登場と共に、それまでは室内で行われていた製作が外の空間でできるようになりました。写実主義が屋外で対象物を実際に目にしながら行う製作を重要視していたのと同じように、印象派の画家も外の空間で多く製作を行いました。
印象派絵画の代表作品は?
次に、ぜひおさえておきたい印象派絵画の代表作品についてご紹介します。
モネ
印象派の画家として最も有名なのがクロード・モネです。印象派の理論を発展させた本人でもあり、絵の具を混ぜない技法を生み出しました。主に風景画を多く描いており、代表作としては『睡蓮』 『積藁』『ルーアン大聖堂』などがあげられます。
ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワールは、特に肖像画で人気を博した画家です。その他の印象派の画家たちは上流階級の出身であったのに対し、ルノワールのみが労働者階級の出身であったことでも知られています。代表作品としては、『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』『シャルパンティエ夫人と子供たち』などがあげられます。
エドガー・ドガ
エドガー・ドガは、目の前にある都市生活や風俗などをテーマに作品を描きました。印象派展に多く出展していたため印象派の画家として位置付けられているものの、本人は少し距離を保っていたといわれています。代表作品としては、踊るバレリーナの姿を捉えた 『舞台のバレエ稽古』 があげられます。
ポスト印象派の絵画について
1880年代後半からは、ポスト印象派と呼ばれる新しい様式を用いた活動が始まります。印象派と同じく有名な画家が多く誕生しているので、ぜひおさえておきましょう。
ポスト印象派とは?
ポスト印象派とは、フランスを中心に1886年から20年にわたって活躍した画家を呼びます。印象派には作家の共通点が見られるものの、ポスト印象派では画家によってスタイルが大きく異なるのが特徴です。そのため、同じスタイルの画家グループを表す言葉というよりは、同時代に活躍した画家を指した言葉と言えるでしょう。
ポスト印象派の画家は?
代表的なポスト印象派の画家としては、キュビズムに大きな影響を与えたセザンヌ、太い輪郭線で画面を仕切る独自の様式を見出したゴーギャン、印象派の影響を受けて明るい色調を好んだゴッホなどがあげられます。
まとめ
今回は、絵画初心者の方に向けて、印象派の特徴や代表的な作品についてご紹介しました。19世紀後半のパリで起きたこの芸術運動は、古典的な絵画と現代的な絵画のちょうど中間にある美術史的にも重要なスタイルです。その大きな特徴である色使いに注目しながら、ぜひ絵画を楽しんでみてください。