着物の古いシミは自分で落とせる?自宅でシミを落とす方法を解説
大切な着物にシミを発見すると残念な気持ちになりますよね。しかし焦ってシミを落とそうとしてはいけません。正しいやり方で処置をしないと、余計に着物を傷めてしまいます。シミの種類によって落とす方法は変わるので注意が必要です。
この記事では、自分で落とせるシミの種類から、それぞれの落とし方までを紹介します。正しい処置の仕方を知ることで、大事な着物を長持ちさせることができるでしょう。
この記事を読むための時間:3分
自分で落とせる着物のシミの種類
着物につきやすいシミの種類はさまざまです。まずはシミの原因を正しく探りましょう。シミの種類と原因は次のようなものです。
- タンパク質系のシミ:血液や汗、赤ちゃんのよだれなど
- 水溶性のシミ:紅茶やコーヒー、お酒など
- 油溶性のシミ:口紅、ファンデーション、マヨネーズなど
- その他のシミ:泥や花粉、墨汁など
- 古いシミ:経年劣化によるものなど
この中で、古いシミは自分で落とすことはできませが、その他のシミは落とすことができます。それぞれのシミに応じた正しい方法でシミ抜きをしましょう。
【種類別】自分でシミを落とす方法
種類別に自分でシミを落とす方法を紹介します。これから紹介する方法でも落とせなかった場合は、無理をせずに着物専門のクリーニング店や呉服店などに相談しましょう。
タンパク質系のシミ
タンパク質系のシミは、熱で固まる性質があります。そのため、必ず水を使いましょう。血液が付着した場合はすぐに水で洗い流せば簡単に落とせます。時間が経った場合は、アルカリ系洗剤を使用しましょう。
汗によるシミの場合は、霧吹きを使うのがおすすめです。シミの部分に霧吹きで水をかけ、乾いたタオルで優しく水分をとります。陰干しをしてしっかり乾かすのも忘れずに行ってください。
水溶性のシミ
水溶性のシミを落とすときは、こすってはいけません。軽く叩いて落とすのがポイントです。汚れた部分の下にタオルや布を敷き、上から固く絞った濡れ布巾などでトントンと叩きます。そうすることで、汚れが下に敷いたタオルや布に移ります。しつこい汚れの場合は、中性洗剤を使うといいでしょう。
油溶性のシミ
油溶性のシミは水では落ちません。油溶性のシミを落とそうとして濡れたタオルなどで拭いてしまうと、汚れが広がってしまいます。
油溶性のシミを落とすときには、ベンジンを使用します。汚れた部分の下にタオルや布を敷き、ベンジンを含ませた柔らかい布でシミを優しく叩きましょう。そうすることで、汚れが下に敷いたタオルや布に移ります。軽く叩きながら、ベンジンで濡れた部分の輪郭をぼやかしていきます。最後は着物ハンガーにかけて乾かしましょう。
ベンジンを使用する際には、火器類を使用せずに換気をするようにしましょう。ベンジンによって色落ちや変色する可能性もあるので、心配な場合は目立たない場所で試してみると安心です。
その他のシミ
着物に泥がついた場合、まずは乾かします。完全に乾かすと泥がポロポロとしてくるので、優しくふき取りましょう。墨汁がついてしまった場合は要注意です。墨汁は広がりやすいため、やり方によっては余計にシミを広げてしまいます。固く絞った濡れタオルで水分を吸い取るようにしましょう。花粉がついたときには、こすらずにガムテープで取ったり、掃除機で吸い取ったりします。
自分では落とせない着物のシミの種類
古いシミは自分では落とせませんが、他にも自分では落とせないシミの種類があります。シミのサイズが大きかったり、複数箇所あったりした場合は難しいです。また、特殊な素材の汚れがついてしまった場合も種類の特定が難しいため、自分でやらないほうがいいでしょう。
シミになる前にできる応急処置
着物を汚してしまったときには、早めの処置が大事です。汚れに気付いたら、すぐに濡らして絞ったハンカチやティッシュで汚れを吸い取りましょう。このときに注意するのは、強くこすってふき取ろうとしないことです。こすってしまうと、汚れが広がったり生地が傷んだりする原因となります。早めに汚れを取り除くことで、シミになるのを防げるでしょう。
適切にシミの処置をして着物を長持ちさせましょう
この記事では、シミの種類ごとに対処方法を紹介してきました。種類によって落とし方は違うので、正しいやり方を知ることが大事です。自分でうまくいかなかった場合は、着物専門のクリーニング店や呉服店などに相談しましょう。適切にシミの処置をすることで、着物を美しく長持ちさせることができるでしょう。
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