絵画の日焼けを防止するための方法は?適切な保管方法も解説
私たちの生活を豊かにしてくれる絵画ですが、美しい状態を保つためには日焼けや湿度に注意しなければなりません。ここでは、絵画の日焼けを防止する方法や、絵画を劣化から守るための方法について詳しくご紹介します。
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絵画の日焼け防止のためにできること
紫外線は、外壁や自動車などの塗装を劣化させるのと同じように、絵画も退色させてしまいます。まずは、絵画の日焼け防止のためにできることを見ていきましょう。
窓にUVカットフィルムを施工する
室内に注ぎ込む紫外線を防ぐためには、窓ガラスに UV カットフィルムを施工するのがおすすめです。絵画の日焼けや退色、色あせ、変質などを防ぐことができます。 一度施工すれば365日いつでも機能するため、簡単に紫外線対策ができるのが魅力となっています。
アクリル板の表面カバーを活用する
絵画を保護したり美しく見せるために必要な額縁ですが、表面カバーにはガラス板のものとアクリル板のものが2種類あります。日焼け防止を行うためには、アクリル板の表面カバーを選ぶようにしましょう。そうすることで、紫外線を90%ほどカットすることが可能になります。また、紫外線カット強化アクリル版を選べば、少し色味が黄色になるものの、98%程度紫外線をカットすることができます。
照明をLEDに変更する
実は、室内にある蛍光灯からも僅かながら紫外線が出ているため注意が必要です。 LEDを使用すれば、蛍光灯に比べると紫外線の量を1/200まで軽減することができるでしょう。絵画を飾っている部屋の照明はぜひLEDを取り入れてみてください。
日焼けだけじゃない!絵画を劣化させる原因とは?
絵画の劣化を防ぐためには、紫外線による日焼けだけでなく、湿度や煙にも注意することが大切です。
湿度
湿度が高い場所で絵画を保存していると、絵画にカビが生えてしまう可能性があります。特に、湿度70%以上の空間の場合には注意が必要です。日本画であれば55%程度、油絵であれば50%程度を保てるように工夫しましょう。
煙
煙や排気ガスなども絵画を劣化させてしまいます。色があせてしまったり、汚れがついてしまう可能性があり注意が必要です。特に、エアコンの排気口の近くには設置・保管をしないようにしてください。また、タバコの煙にも注意が必要なので、絵画のある場所ではタバコを吸わないようにするのがおすすめです。
絵画を劣化から守る方法
最後に、絵画を劣化から守るための方法についてご紹介します。
定期的にメンテナンスする
絵画を美しく保つためには、定期メンテナンスが欠かせません。作品がむき出しになっている場合には、表面にちりやホコリが積もりやすく、カビや色あせの原因になります。柔らかい布や筆を使って優しく汚れを取り除きましょう。また、額縁のアクリル板の汚れや、額縁の四隅に溜まったゴミなども丁寧に取り除いてください。
布で包んで箱に入れて保管する
汚れを落としたら、表面に傷がついてしまわないよう布で包んで箱に入れて保管します。使用する布は、汚れているものやゴワゴワしたタオルではなく、柔らかい布や織布でできたバッグを使用するのがおすすめです。保管の際には、中で湿気が発生しないよう通気性の良いダンボールを使用しましょう。
保管の際には、風通しが良く直射日光の当たらない場所で保管します。サーキュレーターや温度・湿度計、湿気取りなどのアイテムを上手に使って適切な環境を用意してください 。
定期点検を行う
大切な絵画を劣化から守るためには、定期的に点検を行うのがポイントです。絵の具やキャンパスにひびやカビが発生していないか、破れや歪みがないか、退色がないかなどを定期的にチェックし、場合によっては絵画修復の専門家に相談することが大切です。劣化を早めに見つけることで、劣化が少ない段階で適切な修復が可能になり、絵画の寿命を伸ばすことにつながるでしょう。
まとめ
今回は、絵画の劣化を防ぐために日焼けを防ぐ方法や、適切なメンテナンス・保存の方法についてご紹介しました。せっかくの大切な絵画と長く付き合っていくためにも、定期的にチェックを行い、必要に応じて修復を行うのがポイントです。