価値がある茶道具の見分け方とは?5つのポイントを解説
歴史ある茶道の世界には、様々な種類の茶道具が存在します。もともと、お茶は中国から伝わりましたが、日本でも独自の時代背景のもとで発展し、多くの茶道具が現在まで継承されてきました。しかし、その価値の見極めはなかなか難しいもの。
「家に古い茶道具があるけど、どれくらいの価値があるのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、価値がある茶道具の見分け方のポイントを紹介します。
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価値がある茶道具の5つのポイント
価値がある茶道具のポイントを紹介します。
①年代が古い
茶道具は、作られた年代が古いものほど価値が上がる特徴があります。これは、茶道具の茶碗などの割れ物は、年代が古くなればなるほど壊れてしまいやすく、現存するのが難しくなり希少価値が生じるためです。また、時代によって、市場に出回っている数が少ない物も価値があるといえます。
②保存状態がよい
保存状態がよい茶道具は価値が高くなり、欠けていたり汚れていたりする物や傷がついている物などは価値が下がります。例えば、茶碗が欠けている、鉄瓶の注ぎ口が汚れてる、漆器類の表面に傷がついている等は価値が下がる傾向に。しかし、だからといって、既に損傷のある茶道具を自分で修復することは、さらに価値を下げる恐れがあるのでやめましょう。
③付属品が付いている
茶道具は、共箱や極め箱などの付属品が付いていると価値が上がります。共箱とは作家名や作品名、銘が書かれた箱のこと。共箱の銘には、茶道具を作った作家の人生観などを表した季語や和歌、禅語などが記されます。極箱は、作家の親族・後継者、鑑定者などが、本人の作品であると認定したことが記された箱のこと。箱には認定した人の箱書きがあり、共箱と同じくらい価値があります。
④希少価値がある
希少価値があるものほど値打ちがあります。希少価値が生じる理由は、前述したように、年代が古いことがひとつ。例えば、古伊万里や古九谷のような古い時代に作られたものです。また、その作家による茶道具の作品数が少ないなどで現存数が少ないことも挙げられます。
もうひとつの理由は作家です。年代の新しいものであっても、有名作家の作品は人気があります。例えば、人間国宝の工芸家が制作したものや、歴史上の著名人が所有していた茶道具はたくさんの人が求めるため、希少価値が高まります。他にも、有名な骨董収集家の遺品なども価値が高いと評価されます。
⑤家元の書付がある
家元によって使用する茶道具が異なるため、家元のお墨付きである書付がついている茶道具は価値が上がります。書付とは、各家元が良い茶道具に対して認定するようなもので、通常は共箱に明記されています。
茶道にはそれぞれ正当な流派の家元があり、特に「三千家」と呼ばれる表千家・裏千家・武者小路千家が有名です。これらのお墨付きは価値がありますが、茶道人口の占める割合の高い、裏千家と表千家の家元の書付が付いた物は、高い評価を得やすくなります。また、同じ家元でも流派によって評価が変わります。
茶道具の価値を知りたいときはプロに相談してみよう
長い歴史を持ち、今日でもたくさんの人に愛されている茶道具。物によっては、美術品や骨董品としてもかけがえのないお宝かもしれません。もし、価値がよく分からない茶道具をお持ちの方や処分を考えている方で、茶道の価値が知りたい場合は、共箱や鑑定書などを探したり、サインや銘が刻まれているかなど確認したりして一度価値を確かめてみることとよいでしょう。
しかし、しっかりと正確な価値を見極めるには、専門知識や経験が必要です。もし、詳しく正確な茶道具の価値を知りたい場合はプロに鑑定を依頼してみてはいかがでしょうか。
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