陶器と磁器の見分け方とは?違いが簡単にわかる5つのポイントを解説
「陶器」と「磁器」は素材や製造工程に違いがあり、それぞれ独自の魅力を持つ焼き物です。一見似ているように見えても、特徴を理解すれば簡単に見分けられるようになります。この記事では、陶器と磁器の特徴や見分け方のポイントを解説します。
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陶器の特徴
陶器は温かみのある質感が特徴で、吸水性が高く割れやすいため、取り扱いに注意が必要な焼き物です。陶器の特徴を3つに分けてみていきましょう。
- 原材料
- 焼成温度
- 硬度
それぞれ詳しく解説します。
原材料
陶器の主な原材料は、陶土と呼ばれる粘土の一種です。粒子が大きく、素朴な色合いやざらつきのある質感が生まれるため、陶器は「土もの」とも呼ばれます。
焼成温度
陶器は800〜1,200℃と比較的低温で焼かれます。この焼成温度が温かみのある質感を生み出し、表面に小さな気孔が残ることで吸水性が高くなります。使い込むことにより風合いが深まり、味わいが増すのも特徴です。
硬度
陶器は磁器よりも柔らかく、割れやすい性質があります。その一方で、手に馴染む柔らかさや温かみが魅力的で、日常使いに適した器といえます。
磁器の特徴
磁器は滑らかな光沢と高い硬度が特徴で、洗練された美しさを持つ焼き物です。磁器の特徴を3つに分けてみていきましょう。
- 原材料
- 焼成温度
- 硬度
それぞれ詳しく解説します。
原材料
磁器は粒子の細かい「陶石」や「長石」などの鉱物が主原料です。その由来から「石もの」と呼ばれることがあります。陶器と比べて不純物が少ないため、薄くてもしっかりとした強度を持つ焼き物に仕上がります。
焼成温度
磁器は1,200〜1,400℃前後で焼かれ、気孔が少なく硬質な仕上がりになります。高温焼成により素材が溶け合い、ガラス状の層が形成されることで耐水性や光沢、そして滑らかさを生み出しています。
硬度
磁器は、陶器に比べて非常に硬度が高く、耐久性にも優れています。そのため、傷がつきにくく、長期間美しさを保つことができるのも磁器の魅力です。
陶器と磁器の見分け方
陶器と磁器を見分けるポイントは、以下の5つです。
- 器の色
- 音の響き
- 器の透光性
- 吸水性の高さ
- 見た目や質感
それぞれ詳しく解説します。
器の色
器の色は、陶器と磁器を見分けるための重要なポイントです。陶器は温かみのあるクリーム色やベージュ系の色合いを持つことが多く、原材料の陶土によって異なる色味が出てきます。一方、磁器は白色が際立ち、清潔感のある美しい見た目が特徴です。
音の響き表れ
器を軽くたたいた音の響きも、陶器と磁器を判別するポイントの1つです。陶器は鈍い音がするのに対し、磁器は金属音に近い高く澄んだ音が響きます。この違いは硬度の違いによるものです。
器の透光性
透光性の違いも、陶器と磁器を見分けるための有効な手段です。陶器は厚みがあり光を通しにくいのに対し、磁器は薄手の作りで光を通しやすい特性があります。光にかざしたときの透け具合で見分けることができます。
吸水性の高さ
製造過程による違いで、吸水性も異なります。陶器は表面に小さな気孔があり、わずかに水分を吸収する性質があるため、使い込むほどに風合いが増していきます。対して、磁器は吸水性がほとんどなく、色移りが少ないため清潔に保ちやすいです。
見た目や質感
見た目や質感でも、陶器と磁器を判別できます。陶器はざらつきのある質感と手作り感が特徴で、素朴で味わい深い印象を与えます。一方の磁器は、なめらかな質感があり、見た目も高級感を感じさせる艶やかな仕上がりです。
陶器と磁器の違いを知って大切に扱おう
陶器と磁器はそれぞれの特徴を活かして使用することで、その魅力を存分に引き出せます。例えば、陶器は温かみのある質感を活かして家庭的な料理に、磁器は耐久性と高級感を活かして特別な食事や装飾に最適です。違いを理解し、用途に応じた使い分けを心がけることで、美しさを長く楽しむことができるでしょう。
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