終活とは?後悔しないためにメリットとデメリットを知って進めよう
近年では、「終活」という言葉をよく耳にするようになりましたが、自らの死に備えて準備する重要性が分からない方もまだまだ多いのではないでしょうか。また、必要性は理解していても、忙しい日常に流されてしまい、時間を割いてまで終活を行えないというケースも考えられます。
本記事では、終活とは何かを簡単に解説した上で、終活を行うメリットとデメリットをご紹介します。ご自身と家族の未来をより安心して迎えられるよう、終活の特性が理解できたら、自分のタイミングで少しずつ始めてみましょう。
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終活とは?
終活とは、生きている間に、自分の人生の最終段階(老後・死後)に向けて計画を立て、準備する活動のことを指します。代表的な終活の内容として、以下のようなものが挙げられます。
- 遺言書の作成
- エンディングノートの作成
- 財産目録の作成
- 遺産相続に関する計画
- 葬儀・お墓の生前予約
- 介護・医療に関する希望伝達
- 身の回りの物の整理・処分
- デジタル遺品の整理
- 人間関係の整理
- 残された期間でやりたいことリスト作成
いずれ訪れる「死」に向き合い、しっかりと準備しておけば、残される家族や友人の負担が軽減できます。また、様々な準備過程を通して今までの人生を振り返ることができるため、残された期間をより有意義に平安に過ごせるようになるでしょう。
終活を行うメリット
終活を行う代表的なメリットは、以下の4点です。
- 家族の負担が軽減できる
- 環境をスッキリさせられる
- 自分の人生が振り返られる
- 新しい目標が見つけられる
終活を行うことで得られるメリットは、環境整備や家族の負担軽減などの外的なものから、人生における価値観や目標の再確認などの内的な物まで、多岐に渡ります。ここでは、終活のメリットを1つずつ詳しくご紹介します。
家族の負担が軽減できる
終活を行うメリットの一つは、家族の負担が軽減できることです。終活によって、身の回りの物を少なくし、残されたものをどのように処分するのかを伝えておけば、家族が遺品整理で悩む必要がありません。また、葬儀やお墓に関して、自らの希望を明確にしておくことで、家族はその意思に従って行動できます。
このように、事前に計画を立て、備えておけば、お別れが来た時、家族は心穏やかに故人との別れに集中できるでしょう。
環境をスッキリさせられる
環境をスッキリさせられるのも、終活のメリットの一つです。生前整理を行う過程で、不要な物が処分できれば、生活空間が整頓されます。身辺整理のような大きなきっかけが無いと、判断が付かないものも多いのではないでしょうか。残りの人生において必要かどうかを判断基準にしながら、生前整理を進めましょう。
このように終活によって環境を整えることで、生活がより快適になり、遺族にも整理された状態で遺産を引き継げます。
自分の人生を振り返られる
終活を行うメリットの一つは、自分の人生を振り返る機会が得られることです。終活は、自身の最期に向けた準備を行うプロセスであり、この過程には、人生の目標、価値観、人間関係など、自分の軸になる部分と向き合う必要があります。過去の経験や思い出、人生で成し遂げた内容、大切にしてきた価値観などを整理することで、人生に対する感謝や自分に対する誇りを再確認できるでしょう。
新しい目標を見つけられる
「死」を意識して、人生の終盤に向けた準備を行うほど、人生の目標を新しく発見できる可能性があります。なぜならば、限られた残りの時間に意識を向けることで、人生において重要な物とそうでない物をはっきりと区別できるようになるからです。
今までは、自分にとって大切な物であったとしても、忙しさや時間の無さを理由にして、後回しにしてきた内容もあるでしょう。終活を通して、自分にとって何が一番重要なのかに気付かされることで、本当にやりたい夢や合いたい人、達成したい目標を見つけられるようになります。
終活を行うデメリット
終活を行う代表的なデメリットは、以下の4点です。
- 精神的・金銭的に負担がかかる
- 親族内でトラブルになる可能性がある
- 死に対する不安に気付く可能性がある
- 詐欺や悪徳業者のターゲットになる可能性がある
終活を行うことで得られるメリットがある反面、自分だけでなく家族にまで影響を与えてしまうデメリットも存在します。ここでは、終活のデメリットを一つずつ詳しくご紹介します。終活を準備している方は、デメリットに関する対策を講じた上で、進めるようにしましょう。
精神的・金銭的に負担がかかる
終活を行うデメリットの一つは、精神的および金銭的な負担がかかることです。身辺整理を行う場合、家の中にある家具、家電、衣類、書類、雑貨などの全てを「必要なもの」と「不要なもの」に仕分けなければなりません。その後も、不要なものをゴミとして出したり買い取ってもらったりする必要があります。
このような作業には、かなりの時間と労力を要するため、特に年を取ってから終活を行う場合、精神的な負担が大きくのしかかるでしょう。他にも、弁護士や行政書士へ遺言書の作成を依頼したり、葬儀やお墓を生前予約したりするとなると金銭的な面でも負担になるので、しっかりと準備しておかなければなりません。
親族内でトラブルになる可能性がある
終活を行う際のデメリットの中で最も悲しいのが、親族内でトラブルに発展する可能性があることです。財産や資産を見直し、誰にどのように相続させるのかを決めるのは、終活において絶対的に必要な作業となります。しかし、財産の分配や遺言書の内容に関して、親族間で意見の不一致が生じることも珍しくないでしょう。
良かれと思って始めた終活が、感情的な対立や不和を引き起こし、最終的には親族間の仲を壊してしまっては元も子もありません。このようなトラブルを避けるためには、まず、本人の希望を明確にさせて、その意思を遺言書に記録する必要があります。その後、親族に自分が決めた内容とその理由を丁寧に説明しましょう。
トラブルを最小限に抑えて、終活を円満に進めるには、適切なコミュニケーションを通してお互いに協力し合う姿勢を持つことが重要です。
死に対する不安に気付く可能性がある
先ほど終活を行うメリットとして、今までの人生を振り返り、残りの期間を有意義に過ごせるきっかけになると紹介しました。しかし、終活を行う全ての人がこのようなメリットを得られるわけではありません。反対に、終活が「死」に対する不安や恐怖を呼び起こすきっかけとなってしまう可能性も考えられます。
しかし、このようなネガティブな気持ちを克服し、人生の最終段階に向けて準備を進めていくことで、自身の「死」を正しく受け入れられるようになります。
詐欺や悪徳業者のターゲットになる可能性がある
詐欺や悪徳業者のターゲットになる可能性があることも終活を行うデメリットとして挙げられます。終活は個人のプライバシーや財産に関わる事項を扱うため、不正な目的を持つ詐欺師や悪徳業者が後を絶ちません。例えば、不必要なサービスや商品を押し付けられたり、自分の死後、高額な費用を家族に請求されたりするケースが報告されています。
このようなトラブルを避けるためには、家族とよく話し合い、口コミなどを参考に信頼できる専門業者を選ぶことが重要です。複数の業者を比較したり、十分な情報収集を行ったりしながら、悪徳業者を回避しましょう。
終活の特性を知って、計画的に進めよう
今回は、終活とは何かを説明した上で、終活を行うメリットとデメリットをご紹介しました。家族への負担が軽減でき、自分の人生を振り返ることで新たな目標を見つけられるのが、終活のメリットです。一方、デメリットとしては、精神的・金銭的な負担がかかるだけでなく、親族内のトラブルや死に対する不安が生じてしまうことが挙げられます。
スムーズに終活を行うためにも、このようなメリットとデメリットのバランスをよく考慮し、計画的に進めることが大切です。